本篇では、その美しい景観と、天気の移り変わりの激しさをお伝えしました。本編に続きまして、こちらの実践編では、お勧めの登山時期や交通機関、また、山道を歩く際の注意点など、実際の旅を意識した実践編としてまとめました。素敵なご旅行の参考になれば幸いです。
お勧めの時期
一般的に知られる黄山の旅行シーズンは、4月から11月です。なお、一年中曇りや雨、霧の日が多いものの、特に4月から6月頃までは、雨の日が多くなります。標高が高く、年平均気温も10度以下のため、寒さ対策は重要です。水滴をしっかりと弾くようなレインコート類があると役立ちます。後ほど山道の危険性についても触れますが、傘をさせる道ばかりではありません。
10月下旬以降雪が降り始めるため、山道を歩く際にはより一層の注意が必要になります。美しい景観の霧については、冬に多く発生しやすく、また、樹氷などの幻想的な光景が広がり、旅行者も少ない時期のため、冬山に慣れた旅行者には良い時期になりますが、その分危険も増えます。
私のお勧めする時期は、霧が出やすく、秋の美しい光景に出会いやすい10月第二週目から中旬にかけてです。なお、中国では10月1日より国慶節で、1週間程度の国をあげての長期連休があるため、この時期は外したほうが良いです。中国国内での移動者や旅行者も多く、思い通りに動けなくなる可能性が高いためです。寒い場所が苦手な方は、新緑の春から夏にかけてでも良いかもしれません。山岳地帯の植物、花などを見られるのも、素敵ですね。
黄山までの移動
個人旅行をされる方は、上海や杭州などの大都市より、黄山バスターミナルまでバスを利用する方も多いと思います。ちなみに、上海からは、時間にして5時間半位、料金は150元程度(約2400円)でした。バスターミナルより、ロープウェイ乗場までの移動は、公共バス(雲谷寺行き)を利用(19元、約300円)して進みます。
バスターミナル周辺の街並みです。
雲谷寺行きの公共バス乗り場。
山頂までの移動手段
黄山の山頂まで、徒歩で登ることもできますが、ロープウェイで登る方法もあります。私が利用したのは、雲谷寺ロープウェイです。黄山には入山料があり、230元(約3700円)を支払い、その後ロープウェイに乗車しました。
ロープウェイ雲谷新駅全景。
雲谷寺チケット売場。
ロープウェイ乗り場。
黄山雲谷ロープウェイとその景観(のぼり)
実際にロープウェイに乗車し、上がり始めました。
上昇中、徐々に温度が下がり、霧が出てきました。
徐々に霧に包まれていきます。
かなりの高低差がある場所を上昇します。
山頂駅に到着しました。登山で登ってくる人が小さく見えます。歩きは相当大変です。
黄山雲谷ロープウェイとその景観(くだり)
帰りは霧が晴れて、景色も見渡せる様になりました。
山が霧に隠れては現れ、幻想的です。
のぼりでははっきりと見えませんでしたが、だいぶ地面に近い場所も通過しておりました。
鉄塔は、ガタガタと大きな音を立てて通過します。
崖にも迫ります。
木の枝もすぐそこに感じます。
変わった石の形。ほとんどとがっていたのに、なぜか丸い。
不思議ですよね。
間もなく陸地に到着となります。
濃霧
黄山本編でも、霧がたち込める状況から、晴れ渡る姿までをお伝えしましたが、改めまして、霧が立ちこめると、目の前がほとんど見えなくなる状況をご確認ください。山道は狭い個所もあり、また柵もなかったり、すぐに急な崖の斜面となっている個所も点在します。
歩道から望む太陽です。幻想的できれいですが、どのような場所を歩いているのか、視界不良です。
歩道の横ですが、急な崖になっており、深い谷の様でした。
様々な山道
黄山の山道には、様々なタイプがありました。なだらかな坂もあれば、階段もあります。急傾斜な階段や、岩をくりぬいた物まで様々です。雨の日や、雪の日をご想像ください。滑りやすい靴がいかに危険か、お分かりいただけると思います。
こちら、柵や手摺りがありません。すぐ左側が崖下です。
この様な手摺りのないタイプの階段も続きます。
両サイド崖タイプです。解放感は抜群。
低い柵はありますが、断崖絶壁です。
こちらは、自然の岩を削り、山道の一部にした場所です。左側は崖です。
自然の岩を削り、段差を付けた場所です。冬の雪道は、特に怖いですね。
両サイド崖のパターンで、先の方はだいぶ狭くなります。
崖を這うように下る階段です。写真だとスケールが分かりづらいですが、急な階段と、深い谷があります。
後記
本編に続き、実践編をお届けしました。素晴らしい自然と文化が融合した黄山につき、ご興味を持っていただけましたでしょうか。なお、最後に天空の橋や変わった形の岩、動物、また、恐ろしい断崖の階段など、黄山に関わる内容を、番外編でまとめました。お時間が許せば、併せてご覧ください。